中国MBAに挑戦した夫婦のその後(仮)

北京大学MBAを修了したサラリーマンのその後や関心を持つようになった中国ビジネスに関する情報について、気ままに記録していきます。

論文発表-1

前回の予告通り、今回は論文発表(Thesis Defense)の日の様子です。 

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スケジュール 

 

論文発表はMBAだけでなく、学部生から博士課程まで全ての学生に必須なため、スケジュールが緻密に立てられています。我々の発表は金曜日の午前に割り当てられており、5/15, 5/22, 5/29の3回にわかれていました。その中でも、選んだテーマごとに発表を審査する教官が割り当てられています。 

私は真ん中の5/22が発表の日でした。 

 

当日の朝 

事務局からの事前連絡では、「自分の発表の15分前までに来るように」とのことでした。 

具体的に何時から、というスロットが割り当てられていたわけではないのですが、1人の持ち時間が約30分程度(非常に短い!!)で、自分の順番から推測することが可能だったので、その推測した時間の15分より少し前に到着すればいいだろう、と考えていました。 

しかしそこはさすが中国、のんびりと準備をしていると、同じ日に発表するクラスメイトからWechatで「スムーズに進んでいるから早く来い」と急かされたのです。 

こういった「儀式」を非常に重んじる中国において、「儀式で遅刻」しようものなら何が起こるかわからりません。 

ほとんどの物事がうまくいかない中国において、なんでこんな時だけスムーズに進行できるのか全く理解できなかったのですが、ともかく急ぐしかないのでタクシーから降りた後は小走りに会場までかけて行きました。 

ご存知の方も多いかと思いますが、5月末の北京はすでに夏の日差しで、時には40℃近い気温を記録することもあります。 

直後に発表を控えている中でスーツで強烈な日光の下を走っていくのは、小走りとはいえ可能であれば避けたいものでした。 

 

会場に着いてみると、連絡があった通り私以外のこの日が発表のクラスメイトが全員集まっており、順番を待っているところでした。 

私は2年目は香港に交換留学に行っており、最後のセメスターもほとんどのクラスメイトがとらない授業を取ったり旅行をして過ごしたりしていたので実は彼らと会うのが8-9か月ぶりだったのです。 

ですが、そんな感傷に浸る余裕もなくまずは自分の順番には間に合ったのかどうなのかを真っ先に確認しました。 

 

ところが、よくよく話を聞いてみると発表は6人ごとで区切られてその合間合間に休憩?が入るそうで、なんとなくそこで時間調整がされていたようで実は予定通りでも十分間に合ったようです。 

猛暑の中無駄に急がされた、という気は全く起こらず、まずは一安心でした。 

 

自分の発表を待っている間に、自分の順番を待っている間にしばらく会っていなかったクラスメイト達と旧交を温め、論文の内容や取り組み方について積もる話をしていました。 

「XXについて書いた」とか「XXページ書いた」とか、「XXはYYYページ書いた」とかまあ他愛もない話ですが、しばらく空いた時間を埋めるには十分な話題です。 

また、このころにはすでに卒業後の就職先もたいていは決まっています。 

特に中国人の就職先は私も注視していて、なぜなら将来彼らはきっと中国国内において主要なポジションを占めるようになるはずだからです。 

これについては別エントリーを作成してもいいのかもしれませんが、大きな流れとしては、北京大学のクラスメイトは民間企業への就職が目立ち、一方清華大学のクラスメイトは国営企業への就職者が多い印象です。 

 

といった感じで雑談をしたり久々の再会を祝して写真を撮ったりして、汗が引いたころにちょうど自分の番が回ってきました。 

 

意外と長くなってきたので、2回に分けます。。。

論文執筆

約2年前の話を今から書く、というのも変な話ですが、まずはきっちりとMBAブログを締めるべきかと。

 

最終セメスターの授業についてはすでに掲載している通りですので、こちらを参照していただきたく、今回は最後の課題となった修士論文(Thesis)およびその発表(Defence)についてまとめておきます。特に発表についてはあまりにユニークなため、このテーマを2回にわけて書いていきます。今回は修士論文提出までの流れです。

 

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  1. MBA修士論文が必要な理由

北京大学MBAでは授業に加えて、修士論文を提出する必要があり、最終セメスターの特に最後の1か月はこれにかかりっきりとなっていました。

中国の国立大学のMBAは修士号を取得できるのですが、そのためには他の修士号と同様論文の提出が要求されます。これが中国国内の大学のルールのようです。形式美を重んじる、いかにも中国らしいルールです。

 

  1. 論文提出までのスケジュール感とやること

テーマの選定は比較的早くから始まり、2年目の1stセメスター、つまり9月から11月くらいの間に大枠を決める必要があります。その後、翌年(つまり卒業年)の4月末までに完成させるます。

やることとしてはおおよそ次の通りです。

 

1) 指導教授の選定

まず最初に指導教授を選びます。本来はテーマの選定後に指導教授を選ぶのですが、私の場合は指導教授ありきで決めました。なぜなら過去の経験上、指導教授との相性は論文執筆および精度に大きく影響するため、自分が本当に書きたいと思っていることよりも、相性がよさそうな指導教授をまず選び、その指導教授の担当領域の中から自分の興味・関心があるテーマを選定していく、という方が私の最終目的(=卒業)から逆算すると効率がいいです。

私は、台湾系で少しだけ日本企業でも仕事をしたことがあり、英語に堪能であり非常に多くの領域をカバーしている若い准教授を選びました。

 

2) テーマの選定

という若干邪な考えで指導教授を選定しましたが、その頃は結構本気の大作を書いてやろう、と息まいていました。

なぜなら私自身、学生時代には学士論文と修士論文を書いた経験がありますが、その当時はまだ結論から考えるという思考が全く身についておらず、 今振り返ると内容や構成が相当ぼんやりしており、果たして何のための実験だったかなぁと未だに思っています。

その反省から今回は是非とももっといいものを書きたい、と考えていたのです。

テーマの選定期間に当たる2年目の1stセメスターは、香港への交換留学中だったのですが、そのころからテーマの絞り込みと大体の書きたいことの要点を整理、指導教授とのSkypeでの討議も熱心に行っていました。

 

3) 論文執筆

ただ北京に帰ってからは、最後のセメスターについては授業はほどほどに、社会復帰する前に今のうちにできることをやっておこう、という気持ちが大きく先行し始めたので、実は論文も書き始めた当初ほどのモチベーションはなく、最終的にはうまく着地させることに終始した、というのが実情でした。

とはいえ、これまで学んできたことの集大成という意味も含めてある程度は習ったことを織り交ぜることで留学の総復習につながったものとも理解しています。

私が何を書いたかはさておきですが、私のこれまでの経験と今後も高い関心を持ち続けるであろう「戦略」と「マーケティング」の話を中心をイシューの中心に据え、なるべく得意としていない「会計」や「財務」の話には触れないようにしました。

そんなモチベーションで論文を書いてしまったので、論点が多少ぼやけたり深掘りが足りないなぁと思いながらも(多くの妥協と共に)書き終えることができました。

 

そしてこの論文、書くだけでなく最後には「論文発表」というセレモニーによって締めくくられるのです。

このセレモニーだけでも1話になるので、こちらは次回に回し、この修士論文発表の回を持ってMBAブログの締めとしたいと考えています。

再開

約1年半ぶりにブログを再開する、ということで心機一転、ブログの場所も変えて再開したいと思います。 

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MBA卒業後から今までは、特別な活動もせずに比較的ゆるーく過ごしてきました。 

1年半が経ち、そろそろ何か新しいことを始めなければならない、と感じています。 

そこで、まずは気軽に始めることができるブログを再開し、文章を書きながら今後さらに何か新しいことができないか、考えていこうという次第です。 

 

<このブログで書こうと思っていること> 

MBAを中国大陸で取得したものの、その後関与しているビジネスは中国人とは一緒にビジネスしているものの、決して中国に多く関わっているわけではありません。 

とはいえ、依然として中国大陸は大きな市場であり、ビジネスパートナーとしてのプレゼンスも高まってきていることから、この国から目を離すことはできていません。 

 いつ自分がまた中国に深く関わることになってもいいように、ここでは中国に関わるビジネスを中心としたニュースをピックアップして、自分なりの見解を書いていこうと思っています。 

また、卒業後は特に中国の歴史や政治についても深く理解しよう、と思い中国に関わる書籍をこれまでよりも多く読むようになりました。これらの書籍に関する感想も書いていきます。 

 

<次回以降> 

まずは前回、「卒業までに何が起こったのかを書く」と述べておきながら全く書いていなかったので、まずは1年半越しでMBAブログを完結させ、その後このブログで記録していきたいことに移っていこうと考えています。