中国MBAに挑戦した夫婦のその後(仮)

北京大学MBAを修了したサラリーマンのその後や関心を持つようになった中国ビジネスに関する情報について、気ままに記録していきます。

中国の借金は心配ない??

「中国の借金については心配する必要は無い」

これはクラスメイトの中国人の意見です。

マクロ経済学の授業では、クラスが10のグループに分けられ、各回の講義内容に関連したリサーチを行ってプレゼンを行います。

私のグループのテーマは、「我々は中国政府の借金を憂慮すべきか」でした。

準備期間が1週間しかなかったので、グループの中国人クラスメイトの感覚に頼って仮説を作り、それに合わせて情報を集めていくことにしたのですが、彼らの意見は完全に一致しており、「政府がコントロールしているのだから我々は憂慮しなくてよい」と言い張るのです。

確かに、公表されている債務/GDP比率をみると、中国は日本、アメリカと比較してまだまだ低いレベルにあります(日本が異常であるとの見方が普通だと思いますが)。

また、国債保有者もそのほとんどが中国人自身です。

21世紀に入りデフォルトしたアルゼンチンやデフォルトの危機にあるギリシャポルトガルなどの国債は80%近くが外国人(もしくは法人)によって保有されており、彼らに売り浴びせられたことがデフォルトおよびその危機にある一因であると私は認識しております。

つまり、これに当てはまらない中国は国債を売り浴びせられるリスクが少ない(ほぼ無い)から大丈夫、というのが憂慮しなくてよい理由となっています。

とは言うものの、中国の債務には公表数値に含まれていない「implicit debt」(主に年金、地方債務など)があり、こちらの方が公表されている債務額よりも多くこれを含めて考えなくてはいけない、との意見もあります。

それでも、中国人クラスメイトは「心配する必要はない」と断じたのです。

プレゼンテーションを作ることを優先していたため、これ以上は深く突っ込むことをせずにこのストーリーに合わせて資料を詳細化していったのですが、今でもこの議論には謎が残っています。

政府は万能と考えているのか、それともこれまでもどんな手段を使っても政策を実行してきたことを知っているからなのか、、、逆に「では日本はなぜ債務/GDP比率が異常に高いにも関わらずデフォルトしないのか」とか「日本国債を日本人が買わなくなる時期の方が、中国が債務リスクにさらされるリスクよりも高くはないのか?」との質問も受けました(プレゼンに関係ないので、知っている限りの知識で答えてお茶を濁しましたが。。。)。

ちなみにこのクラスの教授の意見は「現時点では問題ないと考えるが、潜在的な問題はあちこちにある(例えば年金)。それらの問題点については政府に対しても指摘をしている」というものでした。

日本で言われていたような「2013年夏、中国経済崩壊論」などは跡形もありませんでしたし、教授と話す機会はありませんでしたが、前出のクラスメイトにこのような話をしても、特に反応はありませんでした。

中国国内の方が情報を得にくいのか、それても知った上でこのような判断をしているのか。

彼らの中国政府に関する見方については、今後もまだまだ学んでいく必要がありそうです。

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↑バブル??