中国MBAに挑戦した夫婦のその後(仮)

北京大学MBAを修了したサラリーマンのその後や関心を持つようになった中国ビジネスに関する情報について、気ままに記録していきます。

大陸に住む日本人数とMBA学生の数

私が中国に来る以前の2012年9月に発生した反日デモ以降、中国に住む日本人の数が減少しています。

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(Consular Policy Division, Consular Affairs Bureau, Ministry of Foreign Affairs of Japan)

併せて中国におけるPM2.5による大気汚染の深刻化が日本において報道されるようになったこと(実際目に見えてひどくなり始めたのもこのころらしいですが)、中国の経済成長減速に対する懸念、シャドーバンキングなど金融に対する不安などが高まったことも影響していると思います。

直近のニュースでは、シチズン広東省の生産工場を閉鎖したことが話題となっています(こちら)。

幾つかの情報を併せて読んでみると中国からの撤退と中国にとどまり続けるべきとの意見とでは、撤退を勧める意見の方が多い気がします。

その流れを受けてか、私が通う北京大学・光華管理学院MBAの日本人もClass of 2016(私の1つ下)はゼロです。Class of 2017以降については何人かの問い合わせを頂いており、皆さん中国大陸、中でも北京でMBAを取る際には北京大学清華大学のどちらかを志望されていますが、それでも北京大学のClass of 2014は日本人4人、清華大学のClass of 2013は日本人2人いたことを考えると、日本人学生の数は減少の一途をたどっています。

その一方で、香港3大学のClass of 2016の日本人学生の合計は10名と過去最多となったそうです。現在の香港の経済が大陸に相当依存している状況を考えると、大陸MBAの学生数が増えない原因は大陸の経済環境や環境汚染を含めた住環境の問題ではなく、教育の質の問題、もしくは認知度の問題、情報不足の問題であると言えそうです。

教育の質

私自身も経験しましたが香港の方が実務経験者が多く、より生々しい講義が経験できる点、より広く世界のトピックを扱う点については優れていると思います。また学習環境なども非常に優れており、学生が議論しやすい空間づくりがMBAビル、教室、図書館などあちこちに施されていると思います。

情報不足の問題

中国の大学に共通していることかもしれませんが、発信の半分以上が中国語であることから、発信する情報量が通常と比べて半分になってしまう気がします(同じ労力しか割かないと仮定した場合)。

より海外に積極的に情報発信をしていくことが大切でしょう。最近、どうやっているのか知りませんが、Linkedinに加えて、中国では使用することができないFacebookこちら), Instagram, Youtubeこちら)でも発信を行っています。

認知度の問題

それが広く周知された結果、Financial TimesなどのMBAランキングでも高く評価され、香港3大学はともにTOP 30に入っています(CUHKは昨年ランク外となりましたが今年は復帰しました)。

北京大学は昨年は59位と健闘していましたが、今年は突如ランク外となりました。このランキングは回答者の母数なども影響するようで、他にも多くの有名な大学がランク外になったりしているので100%鵜呑みにすることはできませんが、MBAオフィスにとっては格好の宣伝材料でありますし、ランクを上げることで認知度が上がることは間違いないと思います。

私は北京の2つの大学についてしかわかりませんが、清華大学と比較して北京大学はプロモーションに不熱心であると感じています。大陸の学生やEMBAにおいて十分な収益をあげられることも原因かもしれませんが、今後のことを考えるとより留学生を多く誘致できる環境を整えることが求められると思います。それによって中国っぽさがなくなるのもちょっと寂しい気もしますが...。

というわけで、今回は在中日本人の減少とMBA留学生数の相関について少し検証してみました。