引き続きField Business Studyの話です。
3日目(水曜日)
前日のうちに上海に移動し、この日から上海企業です。
1) Bao Steel Talent Development Institute
中国No.2の規模の製鉄会社であり、山崎豊子の小説「大地の子」に出てくる企業のモデルにもなった、Bao Steel (宝钢集团)のTalent Developmentを訪問しました(topは河北鋼鉄集団)。ここでは、Bao Steelの現在のビジネスの状況を聞くと共に、製鉄所(熱間圧延工程)を見学させていただきました。
もともと中国には小規模の製鉄所が無数にあり、明らかな供給過剰状態でした。現在かなり統合が進んでいますがそれでもなお供給過剰の状態が続いておりかつ中国の景気減速に伴う需要減少も相まって非常に競争が激しい市場です。
その中でBao steelは他社との差別化をするために、自動車向け等に要求される高級鋼材に特化すること、環境にフレンドリーな技術を多く適用することを推進しつつ、小規模の製鉄所の統合を進めています。2005年には、新日鉄(当時)とアルセロール(当時)との3社JVである「宝钢新日铁自動車刚板公司(BNA)」を設立し、自動車メーカー向けの鋼材生産をしているようです。
訪問した先はTalent Developmentなので、人材登用について質問をしたところ「日本の優秀な技術者は是非とも欲しい、特に環境関連に強い人材」とのことでした。また、彼らは人材育成も手掛けているので、実際に技術者として働くだけでなく技術伝承者としての需要もありそうです。
↑プレゼンター。質疑応答は全て中国語になってしまいました。
↑敷地内の展示ブース。有名企業がクライアントに名を連ねています。
↑原子力機器関連向けの製品も。しかもチューブ??
↑熱間圧延工程の見学へ
2) Deppon Logistics Co., Ltd. 德邦物流
午後は物流会社を訪問しました。
正直、この企業が訪問した中では最も特徴がなく、とらえどころがありませんでした。
ビジネスの特徴としては、「ニッチ」物流を担っており、都市間を結ぶ「長距離」と物流センターから顧客までをつなぐ「Last mile」の中間を狙っているところです。また、物流に自由度を持たせることとクオリティをコントロールするために、自社でトラックおよび運転手を抱えていることも特徴の一つだと言っていました。ただ、ビジネス自体が不安定で拡大期に人を無計画に大量にとっては「ビジネス効率化」の名の下に人を切っていくことを繰り返しているように感じました。また、アクセンチュア、デロイト、IBM、マーサーなど一流どころのコンサルを多く登用していることを一つの特徴としていましたが、コンサルを使うこととビジネスが成功することの因果は全くないので、「いいコンサルを使っているから自社の物流はすごいんだ」という言い方をされても今ひとつピンときませんでした。
↑この会社のPRシニアマネジャーらしいです。若い会社なので、彼女のような若い方でもシニアになるとか
↑保有しているトラック
↑運転手などをトレーニングする学校
この後、みんなでディナーを食べに行こうと思ったのですが、どこも混んでいたので大勢で一緒の場所で食べるのは難しかったことからこのトリップでなんとなくいつも一緒につるんでる香港人、中国人、韓国人とMBAオフィスで上海料理を食べました。